タイ人の奥様と年金の話し

タイ

在那覇タイ王国名誉領事館からの電話

昨年末の話ですが、那覇にある在那覇タイ王国名誉領事館の手伝いをしている瑞泉酒造の職員から、通訳のボランティアをやってほしいとの電話がありました。

通訳のために病院に行くと、40代後半のタイ人女性と、80才ぐらいの日本人男性の夫婦がおり、男性は酸素マスクを付けてICUに入っており、医者がタイ人女性に様体を説明させたくて、通訳が必要な状況でした。

日本人男性は1ヶ月程前に散歩中に転んで、肺に傷ができ、炎症を起こし、肺炎になって重体になったとのことでした。

通訳の業務を終えて家に戻ったその晩、タイ人女性から再度通訳して欲しいと電話があり、病院へ行った所、男性は危篤状態で、彼女の夫は息を引き取りました。

彼女はタイ北部のチェンマイ出身で、10数年ほど前に、結婚紹介会社を通して、日本人男性と結婚し、タイ、日本の両方に正式に籍をいれていました。結婚後10年ほどは、彼女の故郷のチェンマイ周辺で生活していたそうですが、1年ほど前に日本人男性が日本が恋しくなったのか、日本に住もうということで、彼の出身地の東京に戻ってきたそうです。

しかし、東京の冬はタイ人女性にも寒く、老体にも厳しいので、温かい沖縄で生活しようとなったようです。

沖縄に身寄りもなく、唯一、何かの時にはここに電話をかけてと書かれたメモに電話をした所、日本人男性の元妻で、「どうしてわざわざ連絡してくるのだ?迷惑だ」と、怒られてしまいました。

病院で出会った葬儀屋さんに頼んで、最低限のことを、彼女、私の妻と葬儀屋の3人で執り行いました。
残った彼女には数十万円の貯金が残っているだけで、病院の費用と葬儀費用、そしてタイに戻る航空券を払えば、残りはほんの少しでした。

年金はもらえるの?

日本人男性はリタイヤする前は、社会福祉がしっかりとした、それなりの企業に勤務していたようで、年金も毎月20万円程もらっていたとのことでした。

彼女と日本人男性が結婚したのは10年ほど前、すでに年金暮らしをしている時で、2人の生活がはじまってから、年金の掛け金は払っていないので、私は、彼女が年金はもらえないと思っていましたが、社会保険事務所に事情を説明し、尋ねた所、年金が出る事がわかりました。

各種の書類を集めて年金の申請を行った所、6ヶ月後に、ようやく彼女のタイの銀行口座に年金が振り込まれました。
その額、毎月15万円程度、彼女が死ぬ、もしくは再婚するまで永遠にもらえるのです。
60才以上になると、現在もらっている金額の70%程度の金額になるらしいのですが、毎月15万円というと、タイの物価(1/3~1/4)で考えると日本で50万円程もらっているのに等しい金額です。

日本人が年金でタイで暮らす場合も同じですが、日本人ですので、日本食が食べたいとか、日本語の本が読みたい、日本にときどき戻りたい… など、物価自体は安くても、結構お金がか必要なのですが。タイ人がタイで暮らすのであればなんの不都合も無いと思います。

彼女の場合、今、仮に45才だとすると80才迄あと35年間、12月x15万x35年 = 6,300万円の年金を支給するわけです。日本人男性もすでに、平均寿命である80才まで生きていて、亡くなるまでの20年近くの年金は、男性が働いていた間に掛けた金額と同じくらいもらっていたと思います。

日本の年金制度も、このような歳の差結婚を想定していたのかどうかわかりませんが、このような事例が増えると、年金制度の破綻も繰り上がるかもしれません。

日本の男性と結婚すると、夫が死んだ後も快適な生活が送れるということで、日本人男性の株もあがるのかもしれませんね。

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