タイ東北部・イサーン地方の農家で飼われる牛

タイ
牛の放牧

農家に必要な牛糞の生産

タイ東北部・イサーン地方の田舎の村にある農家では、どこの家でも、牛(ウァ)、水牛(クワーイ)を飼っています。農業といっても、酪農を営んでいるわけではありません。主として米を作っている農家です。

牛を飼う目的の一つは、牛が排泄するうんち=牛糞が田んぼの立派な肥料として利用できるからです。

水牛がまさにその瞬間

水牛がまさにその瞬間


牛の落し物が肥料に

牛の落し物が肥料に

乾期、お米の収穫が終わった田んぼに、朝一番に放牧に出されます。田んぼに残った稲の枯れ草や、雑草を食べて、田んぼに牛糞を置いていきます。夕方、日が沈む前に、飼い主が牛を連れ戻しに田んぼにやってきます。

水牛(クワーイ)

水牛(クワーイ)

飼い主に導かれて帰宅するクワーイ

飼い主に導かれて帰宅するクワーイ

雨季、田んぼが緑の草で覆われる頃には、牛は一日の大半を牛舎の中で暮らします。朝と夕方、飼い主が近くの空き地や、田んぼの畦道などに生えている野草を刈り取ってきて、食べさせてくれます。
雨季の数ヶ月の間、牛舎の中は牛糞でいっぱいになり、次期の季節に備え、牛糞が蓄えられます。

雨季:牛舎の中は糞だらけ

雨季:牛舎の中は糞だらけ

雨季:牛舎の中でくつろぐ水牛

雨季:牛舎の中でくつろぐ水牛

牛と水牛の違い

牛には牛(ウァ)、水牛(クワーイ)の2種類がいます。両方とも、牛糞を利用しますが、違いがあります。

ウァと呼ばれる牛は、食肉としても利用します。

田んぼの稲の残りや生えてきた草を食べます。

田んぼの稲の残りや生えてきた草を食べます。

クワーイと呼ばれる牛は、食用としてはあまり利用されていません。ラオスを旅行した時、ラオスの人たちは食べていましたが、料理の仕方にもよるのだろうと思いますが、かなり臭いです。

乾期の田んぼで、枯れ草を食べる水牛

乾期の田んぼで、枯れ草を食べる水牛

クワーイはパワーがあるので、農機具を後ろにつけて、田んぼを耕したりします。最近では、エンジンをつけた農機具、農業機械の登場で、クワーイの出番は少なくなりました。

牛の飼育は手間ひまがかかる仕事

牛を飼うと、牛糞と力仕事ができるというメリットがありますが、牛の世話は大変です。
乾季には、朝早く牛を牛舎から田んぼに連れ出し、昼ごろに水を与えに田んぼに行き、夕方は田んぼから牛舎に連れ戻さなければいけません。

雨季は、牛の放牧ができないので、牛の餌となる草を取りに朝夕行かなければなりません。

牛の飼育とはたけ仕事、牛との農家の良い関係ですが、近年の機械化で牛の頭数も減っているようです。
10年後にはどうなっていることでしょうか?

牛の放牧

牛の放牧

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