モーラムとは
モーラムとは、タイ東北部イサーン地方でよく耳にする音楽です。派手な衣装を身につけた、シンガーが、独特のメロディーの曲をイサーン地方の方言で歌い、周りには多数のセクシーな服をつけたダンサーたちが踊っているショーです。
モーラムを利用して
モーラムのショーはバンコクなど大都市では、モーラム劇場に行けば、毎日開催されています。
今回、私の見たモーラムは、ロイエット県の片田舎にコンケーンを中心に活動しているモーラム劇団を呼んで、ショーを開催してもらいました。
モーラム劇団が村でショーをしてもらうために、村からお金を払ってショーをしてもらっています。
ショーの入場料は、村の収入になります。
この村では、お寺に新しい講堂が必要になったので、その建築費を得るために、バンコクに出稼ぎに行っていた若者たちが戻ってくる、ソンクラーン祭りの日に合わせて、モーラムを開催し、入場料収入から、ショーを開催してもらった費用を差し引いた利益を、お寺に寄付しようと考えていました。
もちろん、モーラムを開催しただけの収益では、お寺の講堂は立ちませんが、村の世話係の人も、自分たちが苦労してモーラムショーを開催したのだから、寄付をお願いしやくなったようです。
モーラムショー
モーラムの会場は、村のお寺にやぐらを組んだ、簡素な設備です。
日が暮れてからの開演となるため、モーラム会場の周りには、蛍光灯をむき出しにした明かりが、カラフルに彩ります。
開催時刻が近づくと、近隣の村々からも、たくさんの村人たちが集まります。椅子はありません。各自、ゴザを持ってきて、ゴザの上に座ります。
ショーは、司会進行が仕切り、次々とモーラムの歌い手と、派手な衣装をまとった若いダンサーの女の子たちが登場します。
音楽だけではなく、コメディー・コント劇もあります。
モーラムショーでの頻発する事件
モーラムのショーは、夜更けまで続くそうです。
しかし、ここ最近、田舎でのこのような形での、モーラムのショーの開催が少なくなっています。というのも、酒を飲んで酔っ払って、事件が頻発するようになりました。
酒の飲み方を知らない、成人になったばかりぐらいの若い子たちが、友人たちとモーラムを見ながら、酒を飲みます。。
気分が良くなってくると、モーラムを聞きながら、舞台の近くで、ダンサーが踊るように踊ります。
酒を飲みながら踊るので、酔がどんどん回ってきます。
段々と自制がきかなくなり、些細な事で、同じように酒を飲みながら踊っている、別グループの若者たちと喧嘩になります。
些細な事で発生した喧嘩が、ナイフや拳銃を使うことで、殺人事件にまで発展することがしばしばです。
最近はセキュリティチェックのない、拳銃やナイフなどが簡単持ち込める場所でのモーラムの開催はほとんどありません。
非常に残念なことですが、村人の娯楽が少なくなりました。
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