タイの焼酎ラオカオ(เหล้าขาว)

タイ
ラオカオを注いで隣の人に「はいどうぞ」

タイの焼酎・ラオカオ

タイで、タイ米を使って作る蒸留酒に、ラオカオ(เหล้าขาว)と呼ばれる焼酎があります。度数は一般に40度で、ストレートに飲めばかなり強いお酒です。

バンコクのような都会に住んでいるタイ人、特に若者は、アルコールといえば、ビールやウィスキーを好み、ラオカオはほとんど飲みませんが、タイ東北部のイサーン地方に行くと、よく飲まれているのがこのラオカオです。

ラオカオの味は泡盛ブームの来る前の泡盛のように臭いです。

酒好きな人にしか飲まれていないようで、原料と製法がほとんど同じである沖縄の泡盛に比べると、かなり臭い、独特の匂いがし、まろやかではありません。

ラオカオを製造している会社が政府系の企業で独占状態になっているので、美味しいラオカオを作らなくても、売れるので、企業の競争原理が働いていないのかもしれません。

いかにも、工場で作った感のある、焼酎です。ラオカオはビール瓶をを再利用した瓶に入って、1本120~140バーツ程で、雑貨店等で販売されています。

ラオスの農村に旅行に行った時に、ドラム缶を使って、焼酎を作っている農家に偶然会い、味見をさせてもらったことがありますが、この時の焼酎は、まろやかで美味しかったです。ラオスの商店では、おそらく個人の農家が作ったものであろうと思われる焼酎が、ウィスキーやビールの瓶に入れられて売られていますが。タイのラオカオとは異なり、とても美味しかったのを覚えています。

ラオスの農家の軒下で焼酎を蒸留している所

ラオスの農家の軒下で焼酎を蒸留している所

ドラム缶を利用したラオスの焼酎造り

ドラム缶を利用したラオスの焼酎造り

イサーン地方でのラオカオの飲み方

このラオカオ、どういう時に飲むのか見ていると、朝これから畑仕事に行く時に1杯飲んで気合を入れたり、肉体労働から疲れて戻ってきて一杯入れている人が多いです。

飲み方は至ってシンプルです。

まず、コップを用意し、1~2cm 程ラオカオを注ぎます。それを、一気に飲み干します。水や氷で割りません。そのままストレートにゴクッと一気に飲みます。

数人集まって飲むときは、一人が飲んで、コップのラオカオを空にしたら、つぎの人の為に、ラオカオを同じコップに注いで、次の人に勧めます。こうして、交互に、順番に飲んでいきます。

イサーンの農家でのラオカオの回し飲み

イサーンの農家でのラオカオの回し飲み

ラオカオを注いで隣の人に「はいどうぞ」

ラオカオを注いで隣の人に「はいどうぞ」

ラオカオで酒飲。つまみは、ラーブ・ルアッド(生の牛肉のタタキ)、ネーム(発酵ソーセージ)、ガイトム(鶏スープ)、鶏の足の唐揚げ、スイカの種等

ラオカオで酒飲。つまみは、ラーブ・ルアッド(生の牛肉のタタキ)、ネーム(発酵ソーセージ)、ガイトム(鶏スープ)、鶏の足の唐揚げ、スイカの種等

今では、どの商店に行っても、毎日、近くの大きな町の製氷工場から運ばれてくる氷を店先のタンクに入れて、販売しており、一袋5~10B程度で購入することが出来ますが、その昔は、タイの農村では氷を調達するのが大変だったんじゃないかと想像できます。また、コップも貴重品だったに違いありません。

そのため、氷と水で割ったり、集まった人分のコップがなくてもみんな飲めるように、このような飲み方になったのじゃないかと想像できます。

実際、バンコクでウィスキーを飲んでいる若者たちは、ラオカオのような飲み方はせずに、一人ずつコップに氷を入れて、水割り、もしくは、ソーダ割で飲んでいます。

私は、沖縄にいる時は、地元の焼酎である泡盛で晩酌を楽しんでいますが、さすがにストレートで飲むと悪い酔い方をするので、氷と水で割って飲んでいます。
そのうち、イサーンの農村でも、ラオカオが水割りやソーダ割りで飲まれるのが普通になる日が来るかもしれませんね。

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