水田の中にある溜池
タイ東北部のイサーン地方の乾季は、雨がほとんど降りません。水田はヒビができるほどからからにひび割れ、用水路の底には、ほんの僅かな水が残っているだけです。
正月、中国正月、ソンクラーン等の連休には、都会に出ていた若者が多数戻ってきた時など、家族総出で、水田の隅にある、溜池にいる魚を捕ることがあります。
溜池の大きさは1辺が5~10m程の小さな池で、水を蓄えているのは、魚を養うためのもので、水不足の時に農耕に使うというわけではありません。
魚も、自然発生的に流れこんできたものを育てています。特に、餌などは与えてはいません。
水田の水を抜く作業から始めます
エンジン付きの農耕器具が一般的になる前までは、バケツリレー方式で水を書き出していたらしいのですが、最近では、水を汲み取り用の直径約20cm 長さ 5m 程の スクリューのような器具が付いた配管を、農機具のエンジンに取り付けて、水を汲み出します。
大方の水を汲み出した後は、人海戦術で魚を捕まえます。素手で捕まえることもあれば、玉網を使うこともあります。
水が少なくなった泥の池から、水を探しに魚が次々と出てきます。
プラー・ドゥクに注意
魚は、淡水魚でナマズの仲間のプラー・チョン(ปลาช่อน)、プラー・ドゥク(ปลาดุก)、プラー・モー(ปลาหมอ)、プラー・タピアン(ปลาตะเพียน )など、まれウナギ(プラー・ライ ปลาไหล )が取れることもあります。
素手で捕まえる際に気をつけないといけないのは、プラー・ドゥクです。エラの部分に針があり、刺されると痛く、腫れてしまいます。
ランチタイムは魚料理三昧
男性陣が魚を捕まえている間、女性陣たちは、取った魚をさばいて、昼食の準備を始めます。
携帯用の料理道具、調味料、食器、ゴザ等を持ってきて、魚を焼いたり、煮たり、家族・親戚一同でワイワイガヤガヤしながら食事&お酒を楽しみます。
娯楽の少ない、田舎暮らしの楽しみの一つです。
食べきれない魚は?
魚捕りで捕まえた魚は、近所の人たちにおすそ分けをしたり、パラーと呼ばれる発酵食品を作ったり、ナムプラーを作ったり、また、乾燥させて保存させたり、残すこと無く利用します。
田舎に住んでいる人たちの貴重なタンパク質となっています。
同じ溜池で、次の魚捕りは、1年後以上たってから行うのが一般的です。
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