カザフスタン旅行日記:2025年5月25日 (Day 2)

旅行日記

アルマトイからタラズへ――カザフスタン鉄道の車窓と出会い

朝5時頃、ホテル前に設置されたアパートのゴミ集積所に、回収トラックがやってきて作業を始めました。クレーンで巨大なゴミ箱を持ち上げる音で目が覚めるという、なかなかワイルドな目覚めです。
窓の外からは、聞き慣れない鳥のさえずりも聞こえてきました。初めて聞く鳴き声に、ここが異国なのだと改めて実感します。

今日はカザフスタン鉄道に乗って、古都・タラズまでの移動日です。
身の回りの荷物を整理して、早めにホテルをチェックアウト。フロントの方にお願いして配車アプリ、Yandexでタクシーを呼んでもらいました。

車のナンバーと駅までの料金を丁寧にメモしてくれる親切な係員で、Yandex で手配した車が来るまで一緒に待ってくれたのもありがたかったです。

アルマトイ1駅まではおよそ20分、料金は1,620T.(約 500円)。一昨日の空港から、ホテルまでの距離とほとんど変わらない距離を10分の1程度の料金で移動できました。
一昨日のぼったくりタクシーとは大違いで、同じくらいの年の運転手さんでも印象が全く違いました。

列車の出発時刻は8:54でしたが、余裕を持って1時間半以上前にアルマトイ1駅に到着。

簡単なセキュリティチェックを受けて駅舎内にはいりました。
大きな電光掲示板には、私の乗るNo.21列車が8:01にホームに入線し、8:54に出発、「問題:無し」と表示されています。


ホームにはすでに大勢の人が出ており、7:55頃、長い編成の列車がゆっくりと入ってきました。周囲の人に確認すると、やはりこれが私の乗る列車とのこと。

アルマトイ1駅では、降りる人と乗る人でいっぱいでした。
私は予約していた8号車に乗り込み、座席番号29を確認して着席。4人部屋のコンパートメントに入ります。

しばらくすると、カザフ人と思われる男女と男の子が。大量の荷物とともに私と同じ部屋に入ってきました。話を聞くと、女性は男性の母親で、男の子は、男性の息子ではありませんが、女性のお孫さんとのことで、終点のグズロムダまで行くとのことでした。女性は推定65~70才、男性は40代後半くらいかと思います。

列車は9:07にようやく出発。
同室のカザフ人一家とは翻訳機を通じて簡単な会話をしましたが、いきつくところ年齢の話題になり、「何歳ですか?」と聞かれたので、「何歳に見えますか?」と返したところ、実年齢の10才程上の「70〜75歳」との返答……!「カザフに来て、急に年取ったのかなぁ~」と、ちょっと複雑な気持ちに(笑)

途中、鉄道職員が回ってきて、カザフ人にはIDカード、外国人である私はパスポートの提示を求められました。確認後、レシートのような紙(滞在登録書)を渡され、「滞在登録書は、後で必要になるかもしれない」とのことでした。しかし、実際には、出国する際など滞在登録書の提出は不要でした。

車窓には広大な草原が続き、私は座席でぼんやりと景色を眺めながら過ごします。眠気に誘われる心地よい時間を過ごしました。
対照的に、同室のカザフ人たちは早々にベッドを展開して横になっていました。

正午近くになると、おばあちゃんが起き出し、テーブルにタオルを敷いて、荷物の中からティーセットや食事を広げ始めました。プロフ(中央アジア風ピラフ)、馬肉ソーセージ、ナンなど、本格的なカザフスタンの家庭料理です。

私は昨日買って残っていたナンを食べようとしていたのですが、「あんたも食べな!」と声をかけてもらい、なんと一緒に昼食をいただくことに。
馬肉や牛の骨付き肉を一口大に切り分け、プロフにのせて、皆で一つの皿を囲んでスプーンを突っ込むスタイル。これがカザフの国民食なんだと教えてくれました。馬肉ソーセージは自家製で、自分たちで育てた馬の肉だと自慢していました。

馬肉を日本では生で食べることもあると話すと、非常に驚かれていました。

食後、お母さんが取り出したのは血圧計。慣れた手つきで自身の血圧を測定しており、きっと元看護師さんだったのではないでしょうか。
私が高血圧の薬を飲んでいると話すと、「どんな薬?名前は?ロシア語でなんという薬なの?」と熱心に聞かれました。日本語名は分かったのですが、ロシア語の名称は Google で調べても出てきませんでした。

その後、カザフ人たちはしばらく談笑したあと、再びベッドへ。車窓には相変わらず続く果てしない草原。たまに、放牧された羊や牛、馬の群れが現れます。

タラズ駅には予定より20分ほど遅れて到着しました。

宿泊先のホテルは駅から徒歩3分と好立地。チェックインしようとしたところ、受付の女性は英語がほとんど話せなかったため、ここでもGoogle翻訳が大活躍。
手続きを済ませて部屋に荷物を置いた後、軽く散歩に出かけました。

列車に乗りっぱなしだったので、体を動かしたくなり、メインロード沿いの歩道を1時間ほど歩いてみました。
車の運転はアルマトイよりやや荒っぽく、歩道も少し歩きにくい印象ですが、地元の雰囲気を感じながらの散歩も悪くありません。

夕食がとれる手頃なレストランを探しながらの散歩でしたが、これと言った食堂も見つからず、ホテルの近くまで戻ってきました。

ホテルの受付の女性に教えてもらった近くのスーパーへ行くと、入口で警備員のような人に何か言われ、カザフ語が分からない私はGoogle翻訳を見せて「カザフ語はわかりません。英語で言ってください!」と、お願いしたところ…

すると中から、カタコトの英語を話す、若い男の子を連れてきてくれました。彼に、ビールと夕食のおかずを買いたいと伝えると、ビール・コーナーや惣菜・コーナーを案内してくれました。親切!ビールと、サラダ、ゆで餃子のようなチュチュヴァラを購入しました。

その男の子に「なぜタラズに来たのか?」と聞かれ、「シムケントまで行く旅の途中で、車窓からの景色を楽しみたいから。夜になると何も見えなくなるので、昼の便に乗るためにタラズで一泊する」と説明しました。
しかし、「どこも同じ草原なのに?」という顔をされ、うまく伝わったかは不明です(笑)
実はもう一つ、近郊にある「アイシャ・ビビ廟」という遺跡を見たくて立ち寄ったという目的もありました。

ホテルに戻る前に、駅前で鉄道から降りてくる客を待っている、タクシー運転手たちと明日訪問予定の「アイシャ・ビビ廟」までのタクシー運賃交渉。英語が話せる人は見当たらず、最初に話しかけてきたおじさんとGoogle翻訳を使ってやりとり。 

明日の朝8:30にホテルまで迎えに来てもらい、アイシャ・ビビ廟まで往復してもらうことで合意。数年前のガイドブックには片道2,400T. (約 750円)と書かれていましたが、最終的に往復で 8,000 T. (約 2,400円)で交渉成立しました。

ホテルに戻ると、受付の女の子から「明日の朝食は8:30からです!」との案内が。しかし、ちょうどその時間にタクシーの迎えが来る予定なので「それはちょっと無理」と伝えると、「どうにかする」と言ってくれました。さて、どうなることやら。

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