ホジェンド → オイベック国境 → タシケントまでの小さな冒険
2025年10月、ついに念願の「陸路国境越え」を体験してきました。
今回のルートは、タジキスタンのホジェンドからウズベキスタンのタシケントへ。
空路もラクだけど、やっぱり地続きの旅って面白さが段違いなんですよね。
■ ホジェンドの民泊から、国境へ向けて早朝ウォーク
ホジェンドでは、街の中心にあるアパートの一室を民泊として貸し出している宿に滞在しました。これがまた良い雰囲気で、宿の人もめちゃ親切。
「国境までは11番か19番のマルシュルートカに乗るといいよ」と教えてくれたけれど、私は歩くのが好きなので、結局1時間かけて乗り合いタクシー乗り場まで歩くことに。
まだ街が静まり返っている早朝の空気の中を歩くと、ちょっと沖縄で早朝散歩したときの、あのひんやりした感じを思い出しました。



■ タクシーターミナルは即・声かけの嵐
タクシー乗り場に着くやいなや、
「タシケント? タシケント?」
と、あちこちから声が飛んできます。
でも、ここでいう「タシケント」は“国境まで”の意味なので注意。
実際にタシケントまで行くわけではなく、まずはタジキスタン側の国境・オイベックへ向かいます。
今回は、ボックスタイプの12人乗り乗合タクシーに乗車。料金は 30 TJS(約510円)。
宿の主は「50TJSが相場だよ」と言っていたので、結構安い!
念のため、「これって国境のオイベックまで?」と確認すると
運転手「ダー(Yes)」
…ロシア語って短くて助かる。
助手席が空いていたので、そこにちょこんと座って出発しました。

■ 砂漠のような道を抜けて、ブストンへ
ホジェンドから国境までは40kmほど。
道中は見渡す限り荒野で、木もほとんどない砂漠のような景色。
たまに現れる集落で、乗客たちが順番に降りていきます。
そして約1時間後、**ブストン(Бустон)**に到着。
ここで、なんと私以外の全員が降車。
Googleマップを見ると国境まではあと5kmほど。
(あれ、まさかこの先は私と運転手の二人旅…?)
と思っていたら、運転手が別の車を指差し、
「ここから先はこのタクシーに乗り換えて」
とのこと。
しかも、ホジェンドで払った30TJSのうち 15TJSを返金 してくれて、
「この15TJSを新しい運転手に払ってね」
と。
なんという良心的な対応!
中央アジア旅では、こういう “人の優しさ” に触れる瞬間が本当に多い。



■ 国境は徒歩で通過、写真はNG
乗り換えタクシーであっという間に国境に到着。
ここからは徒歩で国境越え。
タジキスタン側の建物をスマホで撮ったら、
「写真禁止!」
とクールに注意され、撮った写真は削除…。
荷物スキャンと出国スタンプを終え、ウズベキスタン側へ移動。
入国審査が混んでいたので少し外で待たされましたが、
手続き自体はスムーズで、約45分ほどで両国を通過 できました。

■ オイベック → タシケントへ まさかの恐怖ドライブ
国境を越えると、すぐに
「タクシー! タシケント!」
の呼び込みが。
ひとまず運転手と 100,000UZS(約1300円) で交渉成立。
しかし、その後すぐに
「空港に用事があるから、お前一人で200,000UZS払ったら今すぐ行くよ」
と値上げしてくる始末。
ここでバックパックをトランクに入れてなくて本当に良かった…。
「NO!」と言って車を降りる素振りを見せたら、
「OK OK! 待って!」
と態度が急変。
しばらくするとウズベキスタンの女性が乗ってきて、
彼女も同じ100,000UZSで交渉していたので一安心。
そして出発したのですが──
この運転手、とにかく ぶっ飛ばす。
アクセル全開。
でも、レーダー取り締まりの標識があるところでは急に減速するので、
「取り締まりはしっかりあるんだな」と妙に納得。
生きた心地がしないまま約1時間。
ようやくタシケント駅に到着した時は、心からホッとしました…。

■ まとめ:やっぱり陸路の旅はドラマがある!
空路では味わえない“旅の小さな事件”が散りばめられていて、
今回も中央アジアらしい、ちょっとスリリングで、でも人の温かさも感じる旅になりました。
沖縄のゆるやかな空気とはまた違う、
中央アジアならではの「旅の濃さ」が好きで、
また行きたくなるんですよね。
もし同じルートに挑戦する人がいたら、
ちょっとしたドキドキと、思わぬ優しさに出会えるかもしれません。

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